《最終年度のとりまとめおよび成果公開》 本年度は、本研究の最終年度にあたるため、本研究の成果およびそれ以前の研究蓄積を合わせて、単著『エストニアの政治と歴史認識』を刊行した。本書では、エストニアの多民族共生において統合と分裂の契機となる歴史認識に焦点を当て、(1)両大戦間期独立時代、(2)ソ連時代、(3)1991年の独立回復後に分けて論じた。そこでの結論は、民族をめぐる政治を通じて形成される言語政策、教育政策、国籍政策が影響を受ける国内外の要因に加え、歴史認識と歴史的経緯の重要性であった。なお、不十分ではあるが、同書の参考文献の中で史資料の整理を行った。 《図書・文献の整理》 本年度は、これまでに収集してきたエストニア語の図書資料のデータ化を行った。国内では本研究の研究代表者のみが所有する図書も多いため、できるだけ早急にインターネット等を通じて文献リストとして公開する予定である。 《現地調査》 2009年1月の現地調査では、最終的な成果報告書としての単著の取りまとめに必要な資料収集を、国立図書館および大学図書館を中心に行った。
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