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本研究の目的は、考古資料はもとより文献史料との比較検討を行い、古代における北海道と東北地方の物流経済の社会的な構造の復元を試み、日本列島北部地域における古代物流経済圏の成立について明らかにするものである。
平成18年度の研究は、研究目的にそって次のとおり実施した。
1.古代北海道の交易関連遺跡、流入した交易品(遺物)の調査(北海道中央部・北部を中心とする)
1)余市町大川遺跡、枝幸町目梨泊遺跡、千歳市キウス9遺跡、恵庭市柏木川4遺跡などにおいて、海岸部、河川流域の交易拠点となる遺跡の立地環境の調査をおこなった。
2)枝幸町ホロナイポ遺跡、千歳市キウス9遺跡などで鉄製品の小鍛冶関連遺跡の立地環境の調査をおこなった。
3)旭川市博物館、枝幸町オホーツクミュージアム枝幸、北海道埋蔵文化財センター所蔵資料を中心に、本州から流入した鉄製品(刀子、斧、鎌、鋤・鍬など生活用具類、刀剣・武具類)の調査をおこなった。
4)旭川市博物館、枝幸町オホーツクミュージアム枝幸所蔵資料を中心に、装飾品など本州交易品(遺物)の調査をおこなった。
2.古代東北地方の生産・交易関連遺跡、鉄製品・装飾品などの遺物の調査(青森県を中心とする)
1)生産遺跡および交易関連遺跡の立地環境調査については、発掘調査報告書による確認などを中心に次年度調査にむけた事前調査をおこなった。
2)東北地方で生産された鉄製品、装飾品などの調査については、青森県埋蔵文化財センター、同平川市教育委員会、同八戸市教育委員会、同おいらせ町教育委員会所蔵資料について担当者への問い合わせや発掘調査報告書による確認などをおこない、次年度調査にむけた事前調査をおこなった。
3.物流・交易関連史料の集積
1)古代・中世の物流・交易関連史料の集積をおこなった。
4.調査結果の集成・データベース化および整理・検討
1)古代北海道に流入した鉄製品、その他交易品(遺物)のデータ集積と時空的な整理・検討をおこなった。
2)古代東北地方北部で生産された鉄製品、装飾品などのデータ集積と時空的な整理・検討をおこなった。
5.その他
神奈川大学、北海道埋蔵文化財センターで関連文献などの調査や情報収集をおこなった。
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