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2006 年度 実績報告書

「里海・里湖」の民俗的資源管理にみる持続可能性の検証と今後のワイズユースへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 18720227
研究機関滋賀大学

研究代表者

佐野 静代  滋賀大学, 環境総合研究センター, 助教授 (80273829)

キーワードコモンズ / 資源管理 / 水辺エコトーン / 景観 / 環境利用 / 環境史
研究概要

今年度は日本海沿岸の「里湖」として、かつて日本最大の潟湖であった八郎潟を主なフィールドに調査を行い、沿岸村落における民俗的資源管理の長期的動態について検討した。聞き取り調査と並行して、県庁・県公文書館所蔵の行政文書から明治期の漁業権やヨシ地の権利関係資料を抽出し、水辺資源の共同体的管理の経時的変化について分析した。また、絵図・空中写真など景観史料の収集と分析を行い、水辺の長期的な景観変化と資源利用の変容についても考察した。以上の作業により、二次的自然たる「里湖」としての潟湖の実像が浮かび上がってきたが、その概要については「歴博」にて報告した。
また、本研究のもう一つの目的として、従来「コモンズの海」と呼ばれてきた琉球列島の礁湖における共同体的資源管理の実態を歴史的視点から再検証することがあげられるが、この点について本年度はまず沖縄県の漁撈関係史料の残存状況に関する調査を実施した。礁湖での漁撈は、戦前までの沖縄県の漁業制度では、魚垣のような定置性漁法であっても漁業権として確立されていないものが大部分であり、漁業資源の利用・管理実態の変遷を史料面から押さえることは困難といえる。しかしながら、同様の漁法であっても奄美諸島では定置漁法として認められていた事例があることから、隣接県における漁業制度史料からこのような点にアプローチできる可能性が見出された。この問題については来年度以降調査を続ける予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 「里湖」としての八郎潟-近世~近代における生業活動とその生態系への影響-2006

    • 著者名/発表者名
      佐野静代
    • 雑誌名

      歴博 136

      ページ: 15-19

  • [雑誌論文] 日本における環境史研究の展開とその課題-生業研究と景観研究を中心として-2006

    • 著者名/発表者名
      佐野静代
    • 雑誌名

      史林 89-5

      ページ: 99-126

  • [雑誌論文] The Modern-day Significance of Traditional Cultures Making Use of Satellite Lakes around Lake Biwa2006

    • 著者名/発表者名
      Shizuyo Sano
    • 雑誌名

      Proceedings of the International Symposium on Wetland Restoration 2006 - Restoration and Wise Use of Wetlands-

      ページ: 116-119

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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