18年度は、(1)オブジェクト指向プログラミング技術がGISデータベースのテクニカルな側面においてどのように貢献してきたか、とりわけ時空間行動研究における応用的な側面をレビューし、(2)パーソントリップデータを用いた時空間行動分析をGISソフトで行うための地理情報標準に準拠したUMLモデルを設計する、の2点を重点的に行った。 (1)GISソフトウェアおよびGISデータモデルの深化が時空間行動研究に及ぼした影響をレビューするための資料収集と、最新の時空間GISのパラダイムを学ぶために、2006年8月開催されたESRI Uses Conferenceのテクニカルワークショップに参加した。ここでは、ArcGISのエクステンションとして組み込まれるソフトウェア(Repast)に準拠して開発されたAgent-based modelのシミュレーションの手法と実装についての理解を深めた。 (2)過去に試作した時空間行動(パーソントリップデータベース)をGISで扱うためのUMLモデルについて、UMLデータモデリングの専門家、行動地理学、交通工学の専門家等と議論を重ね、研究者間の共通言語として通用するレベルまでモデルの改良を行った。しかしながら、この結果については、地理情報システム学会で発表を行う予定であったが、申請者の体調と関連研究とのスケジュール管理の都合から、発表を行うことができなかった。次年度に調整したい。 (3)その他2000年次の国勢調査の統計データその他を用い、日本の女性とジェンダーに関わる地図と関連する資料をまとめたアトラスを作成し、出版した。
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