研究概要 |
初年度の研究は、計画通りに進捗した。国立民族学博物館、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、一橋大学、埼玉大学、神戸大学、慶應義塾大学などの所蔵文献を渉猟し、蒐集した。中でも、部分的ではあるが、慶應義塾大学と国立民族学博物館が所蔵する「官報」Uganda Gazetteのマイクロフィルムを閲覧、一部出力できたことは収穫であった。また8月8日から9,月6日まで実施したウガンダ国での現地調査においては、マケレレ大学社会科学部学部長のエドワード・キルミラ博士、ラファエル・オウォリムバララ大学学長などに研究計画について助言を得ることができ、得るところが大きかった。また、トロロ県における現地調査では改めて旧知のGodfey Otiti Oboth-Ofumbi氏(大主教ルウムとともに殺害されたアミン政権の国務大臣A.C.K.Oboth-Ofumbiの子息)と面会して貴重な情報を得たほか、各種書類をスキャナーで取り込み、保存することに成功した。彼らの属すNiirenjaクランのクランリーダーや長老に対するインタビューも実施し、系譜調査も行ったが、こちらは不首尾に終わった。次回改めて実施したい。また、デジタル・ビデオによる映像資料を持ち帰ることができた。映像には、トロロ県の人々がアミンとA・C・Kを揶揄するオカルトを歌う流行歌と踊りも収められている。今後の課題は、文献蒐集を継続すること、また来年度の現地調査で民族誌資料を蓄積することはもちろんであるが、映像資料の編集、録音資料の書き起こしも含め、順次解明されたことを整理して発表にそなえることである。
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