「事件」とoccultの噂について文献とインタビュー両面の資料から分析するために、国内外のライブラリーワークのほかウガンダ東部で計3回約90日間の現地調査を実施した.犠牲者のひとりである内務大臣(西ナイル系アドラ民族)の出身地で「事件」をモチーフにした音楽の演奏とそれにあわせた踊りを録画し、歌詞を現地語で逐語的に書き起こしたうえで翻訳した資料(テキスト)を作成した.あわせて「事件」とそれにまつわるoccultについてインタビューを行い、同様にテキスト化した.内務大臣家所蔵のアルバムなど遺品の一部を電子化し、資料として保存した.悪霊(jwogi)に憑依されたといわれる青年との面接や当該社会でこれまで報告のなかった仮面儀礼を観察するなど民族誌的発見も多かった.
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