本年度は平成19年度に行われる本格的な分析作業に先立ち、韓国現地での資料収集およびフィールドワークを集中して行った。 重点的な調査対象区間となる「通信使路(右路及び左路)、約700km」の全区間にわたり、日本統治初期の土地調査事業にて作成された地籍原図を、保管場所である韓国行政自治省・国家記録院(国立公文書館)においてマイクロフィルムの影印作業を行い、大学にてスキャンしてデータベース化した。また現在の状況と比較し、古道の経路を比定するために、市販の地番図(五千分の一)をほぼ全区間分購入し、やはり複写の上データベース化した。現行の地形図と日本統治期の地形図(ともに五万分の一)の収集の上データベース化した。 次に以上四種類の地図データベースと近世以前の絵図ならびに古地誌を活用して、現在の地形図と地籍図上に比定した古道の経路を記入して行く作業を行った。 また実際に完成した経路比定図を活用して、一部区間において現地調査を行った。 平成19年度においてはこれらの成果に立脚して、(1)全区間における現地調査の実施 (2)関連学術論文の執筆と投稿 (3)研究成果を活用した教学プログラム(本学フィールド・スタディ科目へのコンテンツ支援)などを行い、所定の研究計画を完遂する予定である。
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