アメリカのプロリーグでプレーする選手は労働者と解され、集団的労働法のもとで労働条件改善を目指す道が与えられているものの、個別的労働法については、季節労働者として適用対象から除外されている。他方、労働災害に関しては、いわゆるアメリカ4大リーグでは労働協約に独自の労災補償制度が整備されているが、マイナー・スポーツあるいはマイナー・リーグの選手については、リーグ内の労災補償制度が不十分であることに加えて、州によっては公的労災補償制度の対象外とされている。こうして、低収入の選手が労災のリスクを負うという、いわば社会正義上の問題が生じている。
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