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2008 年度 実績報告書

量刑の基礎理論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18730045
研究機関京都大学

研究代表者

安田 拓人  京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10293333)

キーワード刑罰目的論 / 犯行均衡原理 / 応報刑 / 一般予防 / 特別予防 / 時の経過 / 公訴時効 / 量刑論
研究概要

本年度は、総論的には、ドイツ量刑論における犯行均衡原理(Tatproportionalitaet)こそが責任に応じた刑罰というわが国でも共有されている理解を実質化するものだとの認識から、わが国の先行研究である小池信太郎講師の論文の検討を手始めに、分析を行った。結論的には、責任刑を考える際に均衡を図るべき対象は不法であり、結果が応報的観点から考慮されるべきこと、また、不法を加重する要素として、一般予防的考慮が位置づけられるべきことが、明らかとなった。
続いて、具体的な量刑事情としては、本年度は「時の経過」が量刑に及ぼす影響について、検討を行った。これは、1つには公訴時効制度の理論的根拠との関連において検討されるべきテーマであるが、公訴時効の見直しは近時法務省が検討作業に着手している重要課題でもある。結論的には、公訴時効制度は、実体法的観点からではなく、限られた資源の有効活用という実際的側面にあるものと思われたことから、「時の経過」が量刑に及ぼす影響は、被害者・遺族の被害感情の微弱化、社会的応報感情の微弱化という観点から考慮すべきであること、また、被告人自身にもたらされる事情については、それが一種の罰として考慮されるべきだとは思われず、特別予防の必要性を減弱化させる限りでのみ、また、応報刑としての刑罰の本質・刑罰の一般予防目的の実現を損なわない限りでのみ、考慮されてよいという結論が得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] B&Aレビュー : 小池信太郎「量刑における犯行均衡原理と予防的考慮(1)〜(3・完)」2009

    • 著者名/発表者名
      安田拓人
    • 雑誌名

      法律時報 81巻5号

      ページ: 167-171

  • [雑誌論文] コメント : 丸田顕「時の経過と量刑」2009

    • 著者名/発表者名
      安田拓人
    • 雑誌名

      判例タイムズ 1292号

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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