本研究は、比較法的手法と経験的な実証的手法を用いるだけでなく、少年司法における「未決」段階の身体拘束をめぐる問題を総合的かっ体系的に解明し、具体的な解決策を不すことを目的としている。この目的から、平成19年度は、判例・統計の本格的な分析を推し進めるとともに、日本とドイツの両国において、アンケートとヒヤリングを用いた本調査を実施することを計画した。 この計画の下で、本年度は、まず身体拘束時の援助課題を探るために、日本の少年司法従事者にヒヤリング調査とアンケート調査を行った。また、ドイツにおいて未決勾留施設と未決勾留回避のプロジェクトを参観し、ヒヤリング調査を行った。 こうした研究活動の過程で得られた知見の一端は、論説「少年行刑法は不要か」に結実している。また、今年度の調査により得られた知見については、現在まとめる作業を行っており、来年度中には論説を公刊する予定である。
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