平成19年度においては、(1)自治体における特別職公務員制度の形成過程と現状に関する分析を行うとともに、(2)特別職人事の事例分析に着手するための分析枠組みの設定を行った。 まず、(1)については、自治体における行政委員会制度の形成過程に立ち戻りながら、その制度設計上の論点を摘出した論稿(「首長制の責任領域の拡大が問われる-行政委員会制度改革の視点」)を公表した。自治体行政委員会制度の論点を考察することを通じて、あらためて行政委員会委員を特別職公務員とすることの意味を問い直すことを試みた。 (2)については、副首長(副知事、副市長等)等の特別職を含め、首長への政策助言を行う主体を首長ブレーンと位置づけ、役職の位置づけ(常勤-非常勤)と役割期待(専門能力-政治的・個人的関係)という2軸で類型化した。その成果は、『ホーンブック地方自治』78頁等にまとめられている。 最終年度となる20年度には、昨年度までの成果及び(1)、(2)の成果を統合し、統一的な枠組みの下に自治体特別職公務員制度の動態について、事例分析を含めて明らかにすることにしたい。
|