ジェンダーの観点を重視して福祉レジームの変容を検討するため、少子化対策を検討し、他の政策領域とのリンケージが、言説政治の中で大きな役割を果たしていることや、政策アイディアの中では、出生率上昇を目指す方向から、出生率が上がらない状況を所与として可能な対策を検討する方向へのシフトが起こりつつあることなどと指摘した。また、福祉国家への世論の支持構造の変容こそ最大のレジーム転換ではと考え、福祉と世論についての研究を行い、新自由主義台頭後も、多くの国で福祉国家への支持は高いこと、だが設問の仕方次第でその支持には大きな幅が生じること、つまり問題がどう定式化されるかをめぐるアイディアや言説の政治が重要だと指摘し、日本の具体的な分析では、若干の先行研究が指摘する高福祉支持は設問に規定されている面があり、尋ね方によってはむしろ現状維持志向が強いことも指摘た。
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