平成20年度においては、平成18年度から平成19年度にかけて収集してきたデータをもとに分析を進めてきた。平成20年度に、各地方自治体の平成18年度決算が公表されたことから、小泉政権の下で平成16年度から平成18年度にわたって進められた三位一体の改革を切り口として、それがもたらした補助金配分の変化について分析することとした。 マクロ的な単純集計の結果では、地方交付税交付金の減少した自治体が8割程度、国庫支出金の減少した自治体が5割程度、地方税の増加した自治体が3割程度となっている。本研究では、マクロ的な観点から分析するにとどまらず、各市町村をケースとして、ミクロ的な観点から分析することで、三位一体の改革のもたらした補助金配分の変化について明らかにしようとするものである。具体的には、三位一体の改革前の各地方自治体に対する補助金(地方交付税交付金及び国庫支出金)配分及び地方税と、三位一体の改革後のそれらについて比較し、小選挙区比例代表並立制の影響について検証する。その際、過年度に収集してきた(国政選挙結果に関連するデータ、政治家のバックグラウンドに関連するデータ、補助金の配分額に関するデータ、各地方自治体の特性を示す人口統計学的データ・財政に関するデータ・首長の属性を示すデータ)を用いている。 この成果については、平成21年7月の日本地域政策学会で研究報告を行う予定である。
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