研究概要 |
2007年度はアメリカ型福祉国家の特徴を歴史的に解明する研究を行った。そのうち、20世紀初頭の革新主義時代から第二次世界大戦期の分析は、「アメリカでは何故国民皆保険が実現していないのか?-革新主義時代から第二次世界大戦期までの医療保険政策をめぐる政治の歴史的検討」『甲南法学』藤田教授退官記念号(2008年)で、1960年代の分析は、"The American Welfare State and the City: The Politics of the Social Welfare Policy in New York City under the Lindsay Administration" The Japanese Journal of American Studies, vol. 19(2008)で、2007年度中に公表される予定だったが、いずれも出版が2008年度にずれ込んでいる(共に近刊予定)。これらの研究は、共に今日のアメリカの福祉国家の特徴がいかに形成されてきたのかを歴史的に立ち返って検討したものであり、2008年度に実施する今日のアメリカの福祉国家の特徴を理解する上で不可欠の前提知識を提供するものである。2007年度中に公表された「都市の自律と限界」は、社会政策を都市政府で実施することの意義と限界について、日米の比較を念頭に置きつつ素描したものであり、両国の制度上の相違を明らかにしている。
|