第1次世界大戦、ロシア革命、1930年代の世界恐慌、ファシズム、ニュー・ディール、福祉国家の誕生といった20世紀前半の激動の時代を<大転換>と名づけたハンガリー系の社会科学者カール・ポランニー(Karl Polanyi ; 1886-1964)の思想は、これまで経済人類学者や市場原理主義批判者として部分的に受容されてきた。本研究では、21世紀の新しい国際的なポランニーの研究動向を踏まえながら、主著『大転換』の思想的起源やその後の展開を辿り、人間の自由と社会の現実、経済と社会、といった対極的な<ポランニー的思考>の把握に努めた。
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