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2008 年度 実績報告書

疑似多項分布による個票開示リスク評価

研究課題

研究課題/領域番号 18730145
研究機関金沢大学

研究代表者

星野 伸明  金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (00313627)

キーワード個票開示リスク / 母集団一意 / プライバシー / 寸法指標
研究概要

本年度は研究計画の最終年度である。実績として、これまでの研究成果をまとめた論文が査読付雑誌に受理された。この論文は官庁統計実務を議論しているが、数理統計・応用確率論上の理論的背景については、別途学会発表を行った。
まず実務的な成果を説明する。個票開示リスクを正確に推定する為には、超母集団モデルの族が必要となる。しかし従来、この族の構成方法は明示的に議論されていなかった。研究代表者は、この族の合理的な構成方法を提示した。提案した族は代表的な匿名化処理について閉じており、またジップの法則として知られる経験則とも整合的である。更に、個票開示リスクの上限を示唆するという利点を持つ。疑似多項分布はこの族のメンバーであり、特に個票開示リスク評価に必要な結果を与えた。また、疑似多項分布が族の中で良い候補となる例を報告した。他に重要なのは、局所的匿名化手法やパーターベーションのリスク評価を、従来のリスク測度と整合的に説明した事である。
数理的な成果としては、離散多変数分布の族を提案して性質を評価した。また、確率分割の族を小数法則によって特徴づけした事が重要である。その上で、この確率分割族がベル多項式を基準化定数とする事、従って性質評価において、ベル多項式で族の挙動を記述出来る事などを明らかにした。なおこの族の挙動は、疎な分割表における度数の挙動と対応している。疎な分割表の解析は難題として知られており、本研究はこの難題への新しいアプローチとして、注目すべきと考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The quasi-multinomial distribution as a tool for disclosure risk assessment2009

    • 著者名/発表者名
      Nobuaki HOSHINO
    • 雑誌名

      Journal of Official Statistics (掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] On a class of random partitioning distributions2008

    • 著者名/発表者名
      Nobuaki HOSHINO
    • 学会等名
      Computational Algebraic Statistics, Theories and Applications (CASTA 2008)
    • 発表場所
      京都大学会館
    • 年月日
      2008-12-10
  • [学会発表] 複合ボアソンから生成される確率分割族について2008

    • 著者名/発表者名
      星野伸明
    • 学会等名
      統計関連学会連合大会
    • 発表場所
      慶応義塾大学理工学部
    • 年月日
      2008-09-09
  • [備考]

    • URL

      http://stat.w3.kanazawa-u.ac.jp/owner/papers.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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