本研究課題では、アジア地域の国際輸送におけるネットワークの評価手法を確立し、同地域の主要国際空港における競争的地位の比較を試みた。その結果、東京/成田が最も大きな競争的地位を示していたが、中国本土の主要3空港(北京、上海、広州)において、航空ネットワーク・パフォーマンスは最も顕著に上昇していることが明らかとなった。その一方で、新空港が開港した大阪、香港、そしてソウルでは、新空港開港後に有意な航空旅客数/貨物量の増加が認められ都市の拠点性を上昇させていたものの、大阪については航空ネットワーク・パフォーマンスの低下が観察された。さらに、北東アジア地域に対して実証分析を行った結果、日本発の国際航空旅客にとっては、仁川国際空港が最大のハブ空港であるという結論を得た。本研究成果は、従来の統計指標では明らかにされなかった空港の競争的地位を明らかにしたといえるだろう。
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