研究概要 |
本研究の目的は,日本における医療サービスと薬の消費の関係について,医療保険制度,薬事法制や医事法制の変遷のなかで,どのような変化をたどってきたのか,そしてその要因は何であったのかについて,社会経済的に明らかにすることである.研究は3ヵ年において実施される予定であり,本年度は第2年度である。 本年度の活動は,大きくわけて,次の3つから構成される.第1は,昨年度に実施した医療サービス需要の観察に基づき,実証的な分析とその評価を行った。本研究の一部は,「組合健保と医療保険制度改革-トヨタ自動車グループを事例として-」として学会報告を行い,論文に取りまとめ,査読つき難誌に投稿した.現段階では,審査によって求められた論文の改訂作業を行っている最中である。 第2は,医療サービスと薬の消費を背後で規定する,人々の健康に関する研究と活動に関するサーベイ調査であり,その一部は論文「沖縄県における健康・長寿の現状と医療・観光連携-高齢者保養・スポーツ・海洋自然-」として公表した。 第3は,薬業に歴史を持つ地域の現地調査の実施であり,その調査報告を論文「日本の薬事法制と医薬品の販売規制-薬局・薬剤師・商業組合および規制緩和-」として公表した。 来年度は,改訂要求されている論文の公刊に努力し,実証的な薬事法制に関する社会経済的評価を行うこととする。
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