理論的分析の準備作業及び実証分析のデータセット構築のために、保険者(特定健康保険組合、国民健康保険組合)等の実務家や保健福祉関係の行政担当者からのヒアリングによって以下の点についての基礎的な知見を得た。 (1)各健康保険組合における予防関連保健事業の実施状況について (2)その他、保険者が実施する予防関連保健事業に関すること (3)給付管理実務知識の蓄積・継承について また、文献・資料調査により、前期高齢者世代の年齢階級別医療費を把握し、データセット構築に着手すると同時に、経済学的な実証分析に向けて研究者等の専門家らと議論を行い、知見を蓄積した。 さらに、高齢者世代に対する予防関連保健事業の状況を調査する過程で、医療保健政策モニター(Health Policy Monitor : HPM)の報告をもとに、『各国の医療保健政策&改革 情報リンク集』ホームページを作成した。HPMとは、ドイツのベルテルスマン財団により開始された、International Network Health Policy & Reform(国際医療保健政策&改革ネットワーク)の成果の1つである。ホームページでは、諸国で進行中の医療保健政策の情報を評価し、その動向を把握・比較しようとする医療保健政策モニターの500以上のレポートを、高齢者世代に対する予防関連保健事業に限らず日本語で紹介している。
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