ヒアリングにより、予防関連保健事業の実態、指定管理者制度の活用例といった事業の実施主体に関する情報を収集すると同時に、今年度は以下について重点的に取り組んだ。 (A)前期高齢者世代の年齢階級別医療費の把握。 1)制度別の医療費の推移を年齢階級別に整理し、制度差・地域差の検証に着手した。 2)年齢階級別の1人当たり医療費増加の傾向について、定量的に確認した。 (B)予防関連保健事業と医療費実績の計量経済学的な関係性の整理。 1)保険者規模や地理的条件による現物給付(予防)の効率性・衡平性に関して検討した。 2)予防関連保健事業の受益と負担の帰着に関するサーベイに着手した。 ヒアリングに加えて、文献・資料調査を実施することで、年齢階級別医療費を地域別や保険者別に把握し、データセット構築を実施すると同時に、より精緻なモデル構築に向けて研究者等の専門家らと議論を行い、知見を蓄積した。 また、調査・検討の一環の中で、「地域医療における自治体病院のあり方 〜官民連携の可能性〜」をテーマに公開セミナー(共催)を実施し、地域医療の役割、官民連携による経営改革の可能性などについて、多くの人たちの前で様々な角度から議論を行った。その講演録および資料 等は研究成果の1つとしてとりまとめて、印刷物等にて公開した。なお、事前事後に、各地域およびその周辺地域を訪問し、より詳細な実態を調査し、今後の継続的な調査の地盤を作った。
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