本プロジェクトでは、(1)家計消費格差と所得格差の関係、および(2)家計消費変動要因の分析をおこなった。分析の結果、日本では家計所得の変動がアメリカに比べて著しく小さいが、高卒家計に関しては恒常的要因が近年増加していること、通常の支出に関する月次のパネルデータは消費平滑化を検証するには集計期間が短すぎ、消費格差から所得格差を検証することが困難であること、通常の予備的貯蓄モデルでは家計消費と労働供給のライフサイクルパターンを再現することは困難であるが、家計構成の変化を考慮するとある程度は理論モデルがデータと整合的になることが明らかになった。
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