平成18年度中に、財務省が公表している詳細な日本の貿易データを活用して、1988-2005年までの日本の輸出のデータセットを整備した。この財務省データから、HS-9桁分類の詳細な品目ごとに、輸出額と輸出量のデータが得られる。さらに各品目のデータの輸出相手国別内訳も明らかになる。これら輸出額と輸出量のデータを基に、単位価格(Unit Value)を各品目別、輸出相手国別に計算している。すでに20品目以上の品目を選択し、35の輸出相手国ごとにデータを分類している。平成18年度中にOLSによる単純な回帰分析を行って、予備的実証分析を終えている。しかし、単位価格のデータはノイズが多く、単純な回帰分析では必ずしも満足な結果は得られていない。平成18年度後半から、先行研究に従って回帰式を拡張して推定するだけでなく、Kalman Filterの手法を応用したTime-varying parameter modelの推定まで研究を進めた。その研究成果を平成19年12月にニュージーランドで開催されるModelling and Simulation Society of Australia and New Zealandの国際大会(MODSIM07)で報告することが決定している。平成19年度には論文の最終版を完成させて上記学会に提出し、学会で得られたコメントを基に再度改訂を行う計画である。最終的な研究成果は英文のレフリー制の学術雑誌に投稿することを目標としている。
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