本年度も社会保障制度の受益の面と負担の面、両面から分析を行った。20年度の研究成果としては「90年代の世代間再分配政策の変遷-世代会計を用いた分析」として内閣府で報告を行った。この研究は90年代の世代間再分配政策を世代会計の手法を用いて分析を行ったものである。これまでの世代会計の研究では世代間の再分配がどの程度発生しているか一時点での考察をおこなうことが多かったがこの研究では時系列的に世代間の再分配について分析を行っている。推計結果からは90年代は一貫して将来世代に負担を先送りする分配政策が取られていたことが分かった。また、将来世代の負担の増加は人口推計の下方修正だけが問題ではないことも分かった. また、今年は研究期間の最終年度であるので、これまでの研究の総括も行った。
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