研究課題
若手研究(B)
本研究は中小企業金融に関するデータを用いて、借り手と貸し手の情報の非対称性の問題が中小企業の資金調達行動にどのような影響を与えるのか、中小企業の企業レベルのデータを用いて、実証的に分析することを目的としている。本研究により得られた結果は以下のとおりである。第一に、銀行による情報独占により金利の上昇が、企業間信用に与える影響を分析した。分析の結果、銀行が提示した金利が上昇した企業はより多くの企業間信用を使うことを示した。第二に、複数期連続債務超過・経常赤字企業に焦点を当て、企業の債務構成が企業の法的破綻の選択にどのような影響を与えるのかを分析した。分析の結果、取引企業が主な債権者である場合、法的破綻を申請する確率が高くなることがわかった。第三に、90年代後半の深刻な不況が、日本の中小企業の企業間信用にどのような影響を与えるのかを分析した。分析の結果、この時期に大幅に企業間信用が減少する傾向が見られ、不況期に発生した伝染効果により企業間信用が収縮している可能性を指摘した。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
信用保険月報 No 51(12)
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RIETI Discussion Paper Series 07-E-043
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http://www3.grips.ac.jp/~tsuruta/