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2008 年度 実績報告書

グローバル経済下における政策課税の理論的基礎と制度設計に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18730214
研究機関京都大学

研究代表者

諸富 徹  京都大学, 経済学研究科, 准教授 (80303064)

キーワードグローバル化 / 租税構造 / 底辺への競争 / 二元的所得税 / 給付付き税額控除
研究概要

本研究は、1980年代にアメリカのレーガン政権、イギリスのサッチャー政権によつて先鞭を付けられた累進所得税の「フラット化」と法人税率の引き下げによって特徴づけられる、経済のグローバル化を背景とした世界的な税制改革の潮流についての研究である。まず、1980年代の税制改革で先進国の租税構造がどのように変化したのか、その評価を行った。まず、所得税のフラット化(累進所得税の最高限界税率を引き下げ、税率刻みの段階数を減らすこと)や法人税率の引き下げを伴う租税競争が現実に生じたことを跡付けながらも、同時に課税ベースの拡大が行われ、結果としてこの間に税収の対GDP比は増加しており、「底辺への競争」は必ずしも起きていないことを明らかにした。とはいえ、グローバル化はたしかに各国の租税構造へのプレッシャーとなっており、各国は所得税に関して、大まかにいって二元的所得税、資本所得の差別課税、そしてフラット税化という3つの異なるタイプの改革を行うことでグローバル化に対応したことが分かった。
他方、本研究はグローバル化の影響で所得税のフラット化が進行する中で、その所得再分配機能を再構築する試みとして「給付付き税額控除」に着目してその理論的・実証的研究を行った。給付付き税額控除とは、所得税の課税最低限以下の低所得者層に対して、彼らの就労意欲を促すよう労働時間の増加とともに手取り所得(勤労所得+給付額)が増加するよう設計された給付制度である。この給付付き税額控除はアメリカに始まって、いまやイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国など、アングロ・サクソン諸国を中心に世界的な広がりを見せている。本研究ではイギリスでのヒアリング調査に基づいて、給付付き税額控除の理論と実際の解明、その評価を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 自治体レベルにおける経済的手法の活用と意義2008

    • 著者名/発表者名
      諸富徹
    • 雑誌名

      市政研究 第159号

      ページ: 32-41

  • [雑誌論文] 環境税の意義とその実現の方途2008

    • 著者名/発表者名
      諸富徹
    • 雑誌名

      生活経済政策 No.137

      ページ: 7-12

  • [備考]

    • URL

      http://blog.livedoor.jp/morotomisemi/

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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