競争と協力のゲームとしてのビジネスゲームについて、ファシリテーターの立場から、その効果的な進め方、それを支援する教材について考察を行った。まずmoodleを使用することで、過去の履歴の閲覧ができること、チームの情報共有が進むこと、一貫した経営計画が立案できること、連絡を含む管理が容易になること、教員間での情報共有が進むこと、教材が短時間で改善されること、という効果を得て、協力を行いやすくし、効率的に作業を行うためには、最新の情報や過去の情報にアクセスしやすくなること、情報提供側のアップロードが容易であること、が重要であることを示した。また競争を主とするビジネスゲームについて、長時間作業を効率的に行うために協力を導きやすくなる支援の方法について検討した。それには、個人が理解不足の部分を特定し、質問をしやすくするための教材作成、チーム員との情報共有部分を組み込み、積極的に意思疎通を行わせ、互いの理解度を補いあうための教材作成、計画策定時に、チーム員との議論を行うための根拠となる教材作成が重要であった。 次の世代のCoCoゲームでは、上記で使用したような製造と販売のある企業を前提に、販売の仕方と広告費のかけ方に協力行動をもたせるビジネスゲームを考えている。プレテストとして、実際に相手との交渉を含む、相手の行動がある程度わかるようなカードゲーム式のものを行ったが、パラメータの設定が厳しすぎ、協力行動がほとんど起こらなかった。次のバージョンでは、その調整を行い、さまざまな状況下における行動を分析し、最終考察としたい。
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