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2007 年度 実績報告書

アライアンスによる経営パラダイムの転換:交渉と資源内部化の連鎖的メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 18730270
研究機関九州国際大学

研究代表者

陳 韻如  九州国際大学, 経済学部, 准教授 (00389404)

キーワードアライアンス / 組織間関係 / 交渉 / 資源内部化 / 資源・能力アプローチ / 松下電器
研究概要

平成19年度の研究内容は、(1)企業の経営パラダイム転換への必要性認知と転換のタイミングの分析、(2)松下電器(以下、松下)を事例とする、資源や技術の内部化・転用メカニズムの分析などを予定していた。
具体的な内容は、主として以下の3点である。
第一に、上述した研究内容について、主に松下のパソコンの技術形成を中心にヒヤリング調査を行った。特に、資源や技術の内部化・転用メカニズムの分析について、調査によると、現在の松下のノートパソコン技術は日本IBMのOEM生産に携わった経験にまで遡ることができるが、アライアンスが解消されたあとの松下の技術自律化行動が現在の技術の確立を導いた。パソコン技術の確立に向けて、松下ではグループ会社との連携、技術者のモチベーションの維持、顧客に対応する研究開発体制などの組織的取組が見られる。その調査の成果は20年度にジャーナルに投稿し、また映像情報メディア学会年次大会(福岡工業大学:2008年8月27・29日)で発表する予定である。
第二に、前年度から継続して、組織学習などに関する文献レビューを更に深めながら、アライアンスの学習メカニズムに関する事例の収集と分析を行った。アライアンスの交渉と学習メカニズムとを結びつけるために、資源ベース理論、ダイナミック・ケイパビリティ論などの理論をレビューした。
第三に、研究視野を広げるための関連研究を行った。(1)松下のアライアンス行動をまとめ、1つの企業の組織間関係戦略として総合的な視点から捉えてみた。松下の組織間関係マネジメントの特徴から、組織間関係による企業の戦略展開に関する研究を国立情報学研究所で発表した。発表を通じて、学習効果を測るための手法等について有益なフィードバックを得た。(2)産業クラスターにおける核機関のコーディネート能力や、企業再生に関する資源の再編成メカニズムなどの関連研究により、資源の内部化・転用メカニズムについての観察を深めた。
以上の内容を踏まえ、最終年度においては、松下の事例をまとめながら、アライアンスを分析する理論的な枠組みについて精緻化していく。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 台湾企業の再生事情と事例-台湾調査レポート2008

    • 著者名/発表者名
      陳韻如・井村直恵
    • 雑誌名

      九州国際大学経営経済論集 14(2・3)

      ページ: 111-134

  • [雑誌論文] 台湾の国防役制度と産業競争力2007

    • 著者名/発表者名
      神吉直人・長内原・本間利通・伊吹勇亮・陳韻如
    • 雑誌名

      神戸大学RIEBディスカッションペーパー NO.J83

  • [雑誌論文] クラスターのシステム・デザインの可能性2007

    • 著者名/発表者名
      陳韻如
    • 雑誌名

      九州国際大学経営経済論集 14(1)

      ページ: 1-12

  • [学会発表] 台湾IT産業人材確保における徴兵制度の役割2007

    • 著者名/発表者名
      神吉直人・長内原・陳韻如
    • 学会等名
      映像情報メディア学会第2回アントレプレナー・エンジニアリング研究会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2007-11-22
  • [学会発表] ケーススタディ:台湾の国防役制度と産業競争力2007

    • 著者名/発表者名
      伊吹勇亮・長内原・本間利通・陳韻如・神吉直人
    • 学会等名
      第81回日本経営学会全国大会
    • 発表場所
      追手門学院大学
    • 年月日
      2007-09-08
  • [学会発表] Asian Corporate Regeneration: a Comparison with Past and New Convergences2007

    • 著者名/発表者名
      Naoe Imura & Sherry Chen
    • 学会等名
      Third Annual Conference of Global Asian Perspective CO -Organized by ERUDIT, IRSAM, ISMEA, ISTED, IUED, CEFC & CREC.
    • 発表場所
      UNESCO
    • 年月日
      2007-06-07
  • [学会発表] アジアにおける経営の再生-日本と台湾との比較2007

    • 著者名/発表者名
      陳韻如・井村直恵
    • 学会等名
      組織学会研究発表大会
    • 発表場所
      京都産業大学
    • 年月日
      2007-06-03
  • [学会発表] ナショナル・イノベーション・システムにおける核機関のコーディネー卜能力-台湾半導体産業の創出におけるITRIの役割-2007

    • 著者名/発表者名
      朴唯新・陳韻如
    • 学会等名
      組織学会研究発表大会
    • 発表場所
      京都産業大学
    • 年月日
      2007-06-03

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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