• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

商店街の構成メンバー間の協力関係:その基礎と形成プロセス

研究課題

研究課題/領域番号 18730276
研究機関敬愛大学

研究代表者

畢 滔滔  敬愛大学, 経済学部, 准教授 (70331585)

キーワード商店街振興組合 / 非ヒエラルキー型組織 / 合意構築 / 組織構造 / 社会的資産 / 知的資産
研究概要

本研究の目的は、商店街振興組合(以下、「組合」と表記する)おける合意構築の結果に影響を及ぼす要因を検討することである。本研究は非ヒエラルキー型組織における合意構築のプロセスに関する既存研究をレビューした上で、9つの組合に関する事例研究を行った。これらの9つの組合は、(1)札幌狸小路商店街振興組合、(2)小樽都通り商店街振興組合、(3)盛岡市材木町商店街振興組合、(4)大館大町商店街振興組合、(5)(千葉市)千葉銀座商店街振興組合、(6)(千葉市)栄町通り商店街振興組合、(7)(東京都)武蔵小山商店街振興組合、(8)(東京都)谷中銀座商店街振興組合および、(9)上越市本町5丁目商店街振興組合である。研究の結果は次の2点にまとめることができる。
第1に、共同事業に関する合意構築ができなかった組合のほとんどは、反対派組合員が実際にどのような理由で反対するかをそもそも理解していなかった。さらには、たとえそれを知っても彼らの要求を配慮した多様な選択肢を提示することができなかった。
第2に、組合の組織構造は合意構築の結果に重要な影響を及ぼす。つまり組織構造に存在する2つの問題、すなわち(A)パワーが長期的に特定の個人に集中し、(B)事務局が整備されていないという問題が、合意形成を阻害する。まず、(A)組合においてパワーが長期的に特定の個人に集中することで、一般の組合員が合意構築へ参加する意欲を失い、組合の組織的な能力が低下し、組合において社会的・知的資産を蓄積することが困難になる。また、(B)事務局の未整備は、役員と組合員との交流、組合員への情報伝達、組合における知的資産の蓄積、問題を討論する手続きの確立を阻害する。こうした組織構造上の問題によって、組合において討論の共通の土台を構築することができず、合意形成が困難になるのである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 振興組合の組織的な特徴と商店街の長期的な発展 : 栄町通り商店街の事例研究2006

    • 著者名/発表者名
      畢 滔滔
    • 雑誌名

      経済文化研究所紀要 第11号

      ページ: 3-23

  • [雑誌論文] 商店街組織におけるインフォーマルな調整メカニズムと組織活動 : 千葉市中心市街地商店街の比較分析2006

    • 著者名/発表者名
      畢 滔滔
    • 雑誌名

      流通研究 第9巻・第1号

      ページ: 87-107

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi