本研究の成果は、以下の各論点につき、制限されたデータの範囲内ではあるが、実証的に検討したことにある。その結果、第1に、規制緩和後のわが国損保業において規模の経済性が存在すること、第2に、損保業の合併は効率性改善という意味では必ずしも効果を発揮できていないということ、第3に、保険業と銀行業の収れんの動きに関しては、アメリカ同様、株式市場は好意的に受け止めていた可能性があるということ、第4に、業態間収れん対する規制当局の姿勢の違いは業界のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があるということ、最後に、会社形態や内部ガバナンス構造の相違は保険業のパフォーマンスに影響を及ぼしうるということ、が実証的に示された。
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