まず、本研究において、ネットサービス市場を以下のように定義する。つまり、商品とサービスを伝統的な市場(小売市場、金融市場、映画館などのエンタテインメント市場等)とは異なったインターネットを利用した取引を行う場のことである。この市場の一ステークホルダーである消費者の行動に関する調査を行った上、消費者行動のデータベースを構築し、消費者行動のモデルを設計することは全体的な構想である。一経営学者の観点から分析すると中国インターネットサービス市場に関しては従来の伝統的な市場との異同は以下のようである。つまり、(1)ステークホルダーはまったく同じである(known)。(2)いわゆる伝統的な市場における消費者行動に関する理論研究と実証的な研究について、多くの学者の努力によって明らかにされつつある(known partly)。(3)しかし中国のインターネットサービス市場における、消費者をはじめとするこれらのステークホルダーの行動性向についての研究は一切行われていないため、まったくわからない(unknown)である。本研究はこの第(3)の部分を明らかにすることを目的としている。 1年目の研究期間にあたって、同プロジェクトの準備段階として、この研究に必要なリソースと協力関係を確定した。リソースとして主に2種類、ソフトとハードである。ソフトに関しては、既存の同市場に関する文献と情報の収集し、そして協力パートナーの意向を確認した。協力関係の確定について、市場調査と消費者調査を実施する際に協力してもらう調査実施公司とデータ整理分析する際に協力してもらう高等教育機関とにわけて適材適所に協力してもらう計画が進行させている。ハードは、つまり同研究を行うにあたって必要なツールである。機械及び分析ソフトウェアを用意し、19年度の本格的調査に向けてアンケート資料を作成した。
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