研究概要 |
本課題初年度である本年度は,実証モデルおよびデータベースを構築することを目的として,まず,自らが行ってきた研究成果,現在までに構築しているデータベースの分析から得られる知見を整理するとともに,国内外で展開されているIPOや無形資産などに関する研究を幅広くサーベイした。これにより,主にファイナンス領域で蓄積されてきたIPOに関する研究成果,会計の領域で行われてきた無形資産に関する研究成果,およびこれまで自ら進めてきた,わが国におけるIPO企業の利益調整行動の研究成果を融合させた仮説の設定,および実証モデルの構築を行った。さらに世界各国から多くの会計・ファイナンス分野の研究者が参加する学会(Asian Academic Accounting Association;於オーストラリア,9月,Asian-Pacific Conference on International Accounting Issues;於アメリカ,10月)に参加し,最新の研究成果を収集するとともに,構築した仮説および実証モデルをもとに各国の研究者と議論し,研究内容のブラッシュアップを図った。 また,現在までに構築してきたデータベースに,目論見書などの紙ベースのデータを収集するなどして定性的なデータ(非財務データ)の追加にも着手した。こうしてブラッシュアップされたデータベースを用いて,記述統計量や単変量の分析など予備的な分析を行った。
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