研究概要 |
本課題最終年にあたる本年度は, 過去2年間の成果(わが国におけるIPO企業の利益調整行動の研究成果を融合させた仮説の設定, および実証モデルの構築、実証分析を行うためのデータ収集およびデータベース構築)を基に、具体的な成果として論文(ワーキングペーパー)2本の執筆を行った。また執筆したワーキングペーパーをさらに頑健なものとするために、国際的に活躍する研究者が出席する国際会議やセミナーで英語による口頭発表を合計3回行った。 具体的には、7月に横浜で開催されたAsian Financial Association-Nippon Financial Association 2008 International Conference、9月に開催されたSKKU Business school(韓国)でのセミナー、11月に開催されたパリで開催されたThe 20th Asian-Pacific Conference on International Accounting Issueにおいて発表し、新たな視点から貴重なコメントや質問を受けることができた。これらのコメントをもとに再度、論文の構成から見直しを行い、上場企業の子会社の株式公開がサンプルの相当多くを占めるという、日本のIPOに特有の所有構造がアノマリーにも影響を与えているという可能性について、より焦点をしぼって論文を完成させるという方向性を明確にすることができた。そうした方向性のもとで、さらに株式公開前の詳細な株主データを追加し、さらに論文の完成度を高め、投稿準備に入ることができた。
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