本研究の目的は、業績予想修正の要請が始まった1989から2005年の期間の全上場企業(店頭(現Jasdaq)登録も含む)を対象に、企業が開示した企業情報に基づいて、自発的ディスクロージャー情報データベースを構築することである。ここでのポイントは、従来の研究のように業績か配当かという区分でなく、経営者の裁量が働く、(1)業績予想、(2)配当予想、(3)業績予想修正および(4)配当異動という代表的な4つの構成要素を基準として、自発的ディスクロージャー情報をデータベース化することによって、企業の戦略的ディスクロージャーが企業価値にどのような影響を及ぼすのかを知ることができるというものである。 本年度は、データ入力・確認作業を中心に研究を推し進めた。「企業のディスクロージャー戦略:データベースの構築と分析(課題番号:15730225)」において、1989-2003年までの業績予想値および業績予想修正値のデータベース化はすでに完了している。しかし、確認作業をしたにもかかわらずエラーが多く発見された。そこで、このデータベースとは別にもうひとつ1989年-2003年までの業績予想値のデータベースを作成した。そして、その二つのデータベースを突合することによってダブルチェックをかけより精度の高いデータベースを完成させた。また、業績予想値の特性をより深く検証するために、業績予想修正のディスクロージャーが導入される以前の1984年-1988年の業績予想値のデータも収集した。現在は突合用のデータベースを作成中である。 同様に、業績予想修正値についても確認作業をしたにもかかわらずエラーが多く発見された。そこで、現在、突合用のデータベースを作成中である。 配当予想と配当異動についてまだ着手していない。業績予想修正値の突合作業が終了後開始予定である。
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