研究概要 |
本研究の目的は,業績予想修正の要請が始まった1989から2005年の期間の全上場企業を対象に,企業が開示した企業情報に基づいて,自発的ディスクロージャー情報データベースを構築することである。ここでのポイントは,従来の研究のように業績か配当かという区分でなく,経営者の裁量が働く,(1)業績予想,(2)配当予想,(3)業績予想修正および(4)配当異動という代表的な4つの構成要素を基準として,自発的ディスクロージャー情報をデータベース化することによって,企業の戦略的ディスクロージャーが企業価値にどのような影響を及ぼすのかを知ることができるというものである。 本年度は,データ入力・確認作業を中心に研究を推し進めた。すでにデータベース化されている1984年1988年の業績予想値のデータベースに加え,突合用のデータベースを作成した。そして,その二つのデータベースを突合することによってダブルチェックをかけ,より精度の高いデータベースを完成させた。さらに,配当予想と配当異動についても突合作業を行い,データベースを完成させた。 上記のように,このデータベースを利用すれば,企業の戦略的ディスクロージャーが企業価値にどのような影響を及ぼすのかを知ることができる。しかしながら,当初の計画に遅れがあったため論文の発表にはいたっていない。今後はなるべく早くワーキング・ペーパーを完成させ,学会発表などを行っていく予定である。
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