研究課題
本年度は、課題2「顧客関係性に基づく会計情報を利用した戦略的収益管理の研究」についての理論構築を行いました。当初は、この研究に平行して、課題3「顧客関係性に基づく会計情報と企業価値予測についての研究」を行う予定でしたが、計画を変更して、展開研究として提示していた、戦略的収益管理の方法と固定収益会計との理論統合を行ったことを注記します。その理由は以下のとおりです。フリークエンシー・プログラム(FP)は、研究計画時からめまぐるしく環境が変化しました。そのために、様々な形態のものが氾濫する結果となり、企業は、どのプログラムおよび電子マネーを採用するかによって、まったく異なる結果をえることが予想されます。したがって、FPおよび電子マネーの現状分析とそれぞれの特徴・効果などを分析する必要があると考えました。このプログラムの採用は、企業の顧客獲得・維持戦略に大きく関わるので、当初展開研究として掲げていた、戦略的収益管理の方法と固定収益会計との理論統合を行うべきであると判断しました。これら2つの課題に答えるために、次のようなアプローチを取りました。まず、顧客関係性を重視したビジネスモデルとして、カスタマー・インティマシーに着目し、そのビジネスモデルを実現していくためのマーケティング手法としてのロイヤルティ・マーケティングと実行手段としてのFPを検討しました。そして、FPを顧客関係性構築のための情報システムとして活用するために、前年度(『原価計算研究』Vol.31)までに考察を終えた、固定収益会計との理論統合を行いました。固定収益会計との結合には、研究協力者および研究協力企業から頂いた顧客情報を使用して管理・評価のための管理会計システムの利用可能性を検討しました。この成果は、日本原価計算研究学会第33回全国大会での統一論題発表および、『原価計算研究』Vol.32(近刊)にて公表しています。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
『原価計算研究』(近刊) Vol.32, No.2(近刊)
原価計算研究 Vol.31, No.2
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