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2007 年度 実績報告書

多水準分析による社会の開放性に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18730317
研究機関東京大学

研究代表者

三輪 哲  東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (20401268)

キーワード社会学 / 社会移動 / 多変量解析 / 二次分析
研究概要

社会の開放性を、「様々なライフチャンスに対する社会階層的背景の影響が弱いこと」と操作的に定義し、分析の焦点を1)世代間の社会移動、2)結婚における同類婚、3)教育機会の出身階層間不平等と設定して、実証研究を進めた。
似た階層的地位の男女は結びつきやすいのか(階層同類婚)、そうした同類婚の傾向は時代的に変化をしたのか、すなわち結婚を通した社会移動とも呼ばれる家族次元における階層問題について分析をおこなった。それにより、階層同類婚の傾向は、親職業、本人学歴のいずれで測ってもみられるものであること、長期的にはそれらの同類婚傾向は弱まってきたこと、日本と韓国では学歴同類婚の趨勢が異なること(日本は緩やかな減少、韓国は増加)などが見出された。さらに結婚における選択行動に着目して研究を進めた。女性は学歴が高くなるほどより高い学歴の配偶者を選択しようとする傾向が強く、それにより学歴同類婚と高学歴女性の晩婚・未婚がもたらされることを明らかにした。
社会移動と同類婚の趨勢を見る限り、日本社会の開放性は、長期的にみれば安定ないし微増という程度であったが、格差に関する意識は必ずしもそれと対応しない。世論調査データにみられる格差意識は、この10年ほどでより格差を感じる方向へと大きくシフトした。その変化は社会全体的なものであって、一部の、例えば低所得層において変化が顕著というようなことはない。その意味では、社会の格差意識が二極により分かれていくという傾向ではなく、皆々が日本社会の格差の存在を認知するような局面に移行したというのが近年の変化の方向性であったと指摘できる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 日本と韓国における階層同類婚の変動2007

    • 著者名/発表者名
      三輪 哲
    • 雑誌名

      社会学研究 81

      ページ: 67-92

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 社会の変化と個人の変化2007

    • 著者名/発表者名
      三輪 哲
    • 雑誌名

      ESTRELA 158

      ページ: 32-35

  • [学会発表] 階層的地位と配偶者選択2008

    • 著者名/発表者名
      三輪 哲
    • 学会等名
      第45回数理社会学会大会
    • 発表場所
      成蹊大学
    • 年月日
      2008-03-16
  • [学会発表] 若年・壮年層の格差に対する意識は変わったか2007

    • 著者名/発表者名
      三輪 哲
    • 学会等名
      第54回東北社会学会大会
    • 発表場所
      東北福祉大学
    • 年月日
      2007-07-21
  • [学会発表] Trends in Intergenerational Class Mobility in Japan in the late 20th Century2007

    • 著者名/発表者名
      Ishida, Hiroshi & Satoshi Miwa
    • 学会等名
      International Sociological Association Research Committee 28 meeting, Brno (Czech)
    • 発表場所
      Masaryk University
    • 年月日
      2007-05-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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