「原爆被害」の系譜-被爆者運動と証言行為を中心に-

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18730326
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 社会学
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 直野 章子 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 准教授 (10404013)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2008
• キーワード: 原爆被害 / 国家補償 / 戦後補償 / 被爆者運動

研究概要

本研究では「原爆被害」と「被爆者」の意味をめぐって繰り広げられる政治的・文化的闘争について、戦後補償と被爆者援護に関する法制度、日本被団協運動と在韓被爆者運動(特に裁判闘争)、被爆者の証言行為を中心に考察した。特に、「被爆者」が法によって作られた主体位置だという点に着目しながら、日本被団協の立法運動や在韓被爆者の裁判闘争が「被爆者」や「原爆被害」の時空間的な範囲を広げてきた様相を描いた。

研究成果

• [雑誌論文] 『被爆者援護に関する法律』と戦争被害受忍論 (2009)
  • 著者名/発表者名: 直野章子
  • 雑誌名: 被爆者問題研究 (予定)
• [雑誌論文] 被爆を語る言葉の隙間-〈被爆者〉の誕生と「被爆体験記」の始まりから (2009)
  • 著者名/発表者名: 直野章子
  • 雑誌名: フォーラム現代社会学 8(予定)
• [雑誌論文] 『被爆の証言』を紡ぎだす-『原爆の絵』作者への聴きとりから- (2008)
  • 著者名/発表者名: 直野章子
  • 雑誌名: 国立歴史民俗博物館研究報告 147 ページ: 197-217
  • 査読あり
• [雑誌論文] 被爆を語る言葉と痛みの共振 (2008)
  • 著者名/発表者名: 直野章子
  • 雑誌名: 大阪大学日本学報 27 ページ: 69-92
  • 査読あり
• [学会発表] Transmission of Trauma and Subjectivity of Objects (2008)
  • 著者名/発表者名: Akiko Naono
  • 学会等名: Interrogating Trauma Conference
  • 発表場所: Perth, Australia
  • 年月日: 2008-12-03
• [学会発表] Japanese Hibakusha's Silence and Their Redress Movement (2007)
  • 著者名/発表者名: Akiko Naono
  • 学会等名: Inter-Asia Cultural Studies
  • 発表場所: Shanghai University, China.
  • 年月日: 2007-06-17
• [図書] ナガサキから平和学する! (2009)
  • 著者名/発表者名: 直野章子、朝長万左男、山田拓民、田中俊広、木村朗、高實康稔、井田洋子、川原紀美雄、阿南重幸、戸田清、草野十四朗、山川剛、平野伸人、岩松繁俊、谷川昌幸、本島等、高橋眞司、舟越耿一
  • 総ページ数: 251
  • 出版者: 法律文化社
• [図書] 戦争と民衆-戦争体験を問い直す (2008)
  • 著者名/発表者名: 直野章子、三谷孝、内田知行、濱谷正晴、小野百合子、木村元、林博史、源氏田憲一、阪西紀子、佐藤美弥、李海燕
  • 総ページ数: 325
  • 出版者: 旬報社