本年度は、まず名古屋に拠点を置き、東海地域で活動をするタイ女性のNGO(「タイ女性友の会」)の活動のスタッフの共同を得て、愛知・三重県に在住する在日タイ女性たちのネットワーク状況について調査を行った。様々な職業や立場の在日タイ女性たちについて、ネットワークの状況や知識の様子を調査した。 また次に、その過程で知り合った女性たちのうち数名の出身地域である北タイで、女性たちを送出している側のタイ社会についても調査を行った。東海地域に住む北タイ出身女性の家族ともコンタクトを取ったほか、日本や欧米に多くの女性を送出している村を訪ね、海外に住む女性たちについて、その村人や村のローカル社会はどのように捉えているのかを調査した。 これら本年度の調査は、在日タイ女性のネットワーク状況を分析した一昨年の調査を引き継ぎ、在日タイ女性のネットワークに、たぜ分断が起こりやすいのかを、階層化をキーワードとして説明するための、重要な意味を持っている。とくにその意味としては、タイと日本と双方から在日タイ女性の状況と、彼女たちをぐる語りを分析することで、なぜ在日タイ女性たちが、その内部に階層化を深化させ、常にネットワークを分断する方向へ働かざるを得ないのか、その背景を葉アックするという意味がある。新年度は、これを最終的に統合・分析することによって、最終的な研究成果を打ち出したい。
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