平成18年度は、本研究の初年度ということもあり、研究の基礎的な資料収集を中心に行なった。その結果、 (1)「共生会」の機関誌である雑誌『共生』の戦後発行分の複写 (2)仏教系の専門紙「中外日報」の戦前期大正年間発行分のデータ化 (3)大正期発行の浄土宗関連紙「浄土宗教報」から椎尾及び仏教社会福祉事業関連記事の抽出 といった作業に関して、概ね完了することができた。 更に、戦前期における仏教社会福祉実践に関連する資料として、天台宗宗務庁発行の「宗報」の大正、昭和戦前期の中からこ仏教社会福祉事業に関連する記事の抽出する作業についても併せて行なうことができた。 本研究を進めていくための資料収集に関してはまだ十分とは言えず、平成19年度においても継続して行なっていく必要があるが、幸い、椎尾弁匡及び「共生会」に関連する資料を複数保管している佛教大学附属浄土宗文献室及び三康又化研究所附属三康図書館について、資料の活用についてご理解・ご協力を頂ける体制を整えることができた。 また、椎尾弁匡にゆかりの清林寺においても、縁者の方々より、貴重な聞き取りを行なうこともできている。 平成19年度については、 (1)椎尾弁匡及び「共生会」関連の寺院、施設等への訪問 (2)関連資料の継続的な収集 が主な柱だてであるが、同時並行的に本年度収集できた資料の具体的な分析にも入って行きたいと考えている。 なお、本研究に関連する研究成果としては、「長谷川仏教文化研究所年報」第31号に、研究報告として「雑誌『共生』『総自次(戦前編)について」を寄稿し、以前より継続して行なっていた資料収集の成果の一部を公表することができている。
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