研究概要 |
平成19年度には、平成18年度の研究成果を日本社会心理学会および日本パーソナリティ心理学会において発表した。この研究は、インターネットにおけるコミュニティで見られるようなメッセージのサンプルを刺激として、メッセージの作成者がどのような個人属性を持っているのかを推測させたものである。また、ダイナミック社会的インパクト理論のCMCへの応用に関する先行研究の検討も引き続き行った。この成果は、学術雑誌『実験社会心理学研究』に2007年度に掲載された論文へと反映されている。また、平成18年度の研究成果を踏まえ、まず実験1の予備実験を行った。この予備実験では、昨年度に構築された電子掲示板型のコミュニケーション・システムが問題なく動作するかどうかを検討するため,少数の参加者を対象に行われた。この予備実験では、匿名・識別あり条件,および匿名・識別なし条件のそれぞれにおいて,16人の参加者が,自尊心や集団主義などのテーマについて2週間の間コミュニケーションを行った。予備実験の主眼はシステムの安定性やユーザビリティ,および条件間での独立変数以外の主観的評価の均一化であった。この予備実験の参加者へのアンケートを参考に、ユーザ・インタフェースの改良を行った。また、本実験として実験1を行ったが、充分な実験期間を取ることができなかったため、実験1の追試が平成20年度への課題として残された。
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