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2008 年度 実績報告書

ワーキングメモリの個人差が対人コミュニケーションにおける情報処理に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 18730391
研究機関東北福祉大学

研究代表者

吉田 綾乃  東北福祉大学, 総合福祉学部・福祉心理学科, 講師 (10367576)

キーワードワーキングメモリ / 対人認知 / 印象形成 / 動機づけ
研究概要

本研究では、ワーキングメモリキャパシティの個人差が対人認知における期待効果の抑制に及ぼす影響について検討した。Neuberg (1989)は、印象評定においてネガティブな対人期待がある場合にはカテゴリー依存型処理によって否定的な印象が形成されやすいが、「正確さ」目標を導入するとそのような処理が抑制され期待効果が消失することを見出している。そこで、キャパシティが乏しい者は "認知的倹約家" 、キャパシティが豊富な者は"動機づけられた戦略家"としての特徴を持つ可能性が指摘されていることから (Barett, Tugade, & Engle, 2004) 、キャパシティが乏しい者よりも豊富な者において正確さ目標の導入による期待効果の消失が認められると予測した。大学生の実験対象者に、刺激人物について「カンニングをした」「けんかして補導された」などの好ましくない行動を含めたプロフィールを提示した。目標あり条件では「好ましくないものも含まれるが、できるだけ正確に理解するように」と教示し、目標なし条件では「印象評定」を行なうように求めた。分析の結果、ネガティブな印象評定の値はいずれも「どちらともいえない」の付近であり、条件の差は認められなかった。一方、ポジティブな印象評定については、キャパシティが乏しい者では教示による差が認められず、いずれもやや望ましい印象が形成されていた。一方、キャパシティが豊富な者は、目標あり条件よりも、目標なし条件においてよりポジティブな印象を形成する傾向が認められた。このような結果は、キャパシティが豊富な者において期待効果が消失することを直接的に示すものではないが、キャパシティが乏しい者は情報処理目標の影響を受けにくいことを示しており"認知的倹約家"としての特徴が反映されていると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Effect of individual differences in working-memory capacities on schematic processing in impression formation2008

    • 著者名/発表者名
      Ayano Yoshida
    • 学会等名
      The 29^<th> International Congress of Psychology
    • 発表場所
      ドイツ・ベルリン国際会議場
    • 年月日
      2008-07-24
  • [学会発表] ワーキングメモリキャパシティの個人差と正確さ動機づけが印象形成に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      吉田綾乃
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会第55会大会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2008-06-15

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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