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2007 年度 実績報告書

幼児期の発達における母親と保育者の役割の比較

研究課題

研究課題/領域番号 18730404
研究機関横浜国立大学

研究代表者

園田 菜摘  横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (00332544)

キーワード幼児期 / 愛着得点 / 受容・拒否得点 / 保育者との関係 / 母子関係 / 向社会的行動 / 感情推論能力
研究概要

本研究は、幼児期の発達における母親と保育者の役割を比較するために、子どもと母親・保育者の関係性を測定し、年齢に応じた子どもの発達特徴との関連を検討したものである。
2年目である平成19年度では、昨年度の研究対象だった幼児に新たに新入園児を加え、計55名の幼稚園年中児を対象とした。子どもと母親・保育者との関係性の測定については、まずPAT(Picture of Attachment Test)を用いて、母親・保育者それぞれに対する子どもの愛着得点を算出した。また、CCP、CCT(Children's Cognition of Parents/Teachers)を用いて、子どもが認知する母親・保育者からの受容得点・拒否得点を算出した。さらに、子どもの発達特徴について、まず絵カードを用いて他者がどれくらい喜び・悲しみ・怒り・怖れ・嫌悪の感情を強く感じているかを推論させる感情推論能力を測定した。また、幼稚園での子どもの自由遊び場面を40分間観察し、仲間に対する身体的援助・言語的援助・慰め・共同作業・分与・向社会的行動の拒否、といった向社会的行動の頻度を測定した。
その結果、保育者への愛着得点が高い子どもの方が低い子どもよりも、向社会的行動の中の共同作業を多く行うことが示された(t=-2.05,p<.05)。また、保育者から受容されていると認知している受容得点が高い子どもの方が低い子どもよりも、他者の嫌悪感情を強く推論することが示された(t=-2.32,p<.05)。母親との関係性については、子どもの発達特徴との有意な関連は見られなかった。
以上のことから、幼稚園年中児においては、母親よりも保育者との関係性の方が子どもの発達特徴と関連し、保育者との良好な関係が子どもの発達に適応的に働く可能性があることが示唆された。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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