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2009 年度 実績報告書

虫をめぐる現代日本の自然観・生命観の発達的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18730422
研究機関大阪経済法科大学

研究代表者

藤崎 亜由子  大阪経済法科大学, 教養部, 准教授 (50411690)

キーワード虫あそび / 幼児 / 生物概念 / 環境教育 / ヒトと動物の関係学
研究概要

2009年度に実施したのは、以下の3つである。(1)大学生を対象とした質問紙調査の分析:虫に対する現代大学生の認識を探るために、知っている虫の名前を5分間で記述するという自由想起法による調査を行った(日本教育心理学会第51回総会で発表)。その結果、カブトムシやテントウムシ、クワガタなどの甲虫目だけで33%を占め、現代大学生の昆虫概念の中核は大型甲虫であることがわかる。興味深いのは、「昆虫以外」という項目であり、クモやムカデ、ダンゴムシ、時にはトカゲやカエルなどの名前があがっていた。日本語の「虫」は、昆虫のみならず「地を這うもの」という意味で、人間、鳥獣、魚貝以外の動物一般を指す場合がある。本研究の結果も現代大学生が幅広い概念で虫イメージを形成していることを示している。幼児を対象にとした同様の調査(藤崎,2007)と比較すると、大学生はより詳しく種名を記入する傾向はあるが、彼らが持つ虫概念の中核にある虫への認識は幼児期にほぼ出揃っているといえるだろう。(2)子どもたちの虫に対する言葉かけの分析:幼稚園で行われている虫遊びの実態を観察し、その中で子どもたちがどのように虫に対して言葉をかけているのかを分析した。さらに、そのデータをウサギやロボットなどに対する子どもたちの言葉かけと比較検討した結果、虫という存在がもっ特異性が浮き上がってきた。その結果をもとに、人間とは全く異なる論理で生きている虫の視点を通して、見慣れた世界を新鮮な驚きでもって見つめることができることの意味を議論した(科学基礎論学会総会、日本心理学会74回大会で発表)。(3)理論的まとめ:虫をめぐる子どもたちの諸活動の分析や質問紙調査の結果をまとめて、虫という存在が人間の育ちにもたらす意味を考察した。特に、「生きている」「死んでいる」ということを中心とした命のまなびについて議論を行った(公開講座フェスタにて発表)。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 幼児における動物へのことばかけと共感性の深化2010

    • 著者名/発表者名
      藤崎亜由子・麻生武
    • 学会等名
      日本心理学会74回大会
    • 発表場所
      大阪大学(発表予定・印刷中)
    • 年月日
      20100900
  • [学会発表] 虫をめぐる現代日本の生命観2009

    • 著者名/発表者名
      藤崎亜由子
    • 学会等名
      HSNネット.公開講座フェスタ
    • 発表場所
      さいかくホール
    • 年月日
      2009-11-20
  • [学会発表] 虫の名前に対する大学生の理解2009

    • 著者名/発表者名
      藤崎亜由子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第51回総会
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      2009-09-20
  • [学会発表] 心に残る生きものの風景:大学生への質問紙調査から2009

    • 著者名/発表者名
      藤崎亜由子
    • 学会等名
      日本心理学会第73回大会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2009-08-26
  • [学会発表] 関わりの中で生まれるロボットの心2009

    • 著者名/発表者名
      藤崎亜由子・麻生武
    • 学会等名
      2009年度科学基礎論学会総会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2009-06-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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