研究概要 |
1.幼児のふりにおける対象の知識の必要性の理解の検討 幼児のふりにおける知識の必要性の理解、すなわち、ふりをする側にとって、ふりをする対象の知識が必要であることの理解、ふりをされる側にとって他者のふりを判断するときに対象の知識が必要であることの理解の発達的変化を検討した。対象は3-4歳児と5-6歳児である.その結果,3-4歳児はふりをする側とふりをされる側にとって,ふりをする対象の知識が必要であることを理解していなかったが,5-6歳児は理解していた。 2.幼児における誤った知識に基づくふりの理解 ある対象に関して誤った知識を持つ他者がそのふりをするとき,どのようなふりをするのを推測させることにより,幼児のふりにおける対象の知識の役割の理解を検討した。対象は3-4歳児と5-6歳児である.5-6歳児は,人がある対象のふりをするとき,たとえその対象に関する知識が誤っても,その知識内容に基づいてふりをすることを理解していた。一方,3-4歳児は,他者がふりの対象に関して誤った知識を持つ場合に,他者の知識ではなく自分の持つ正しい知識に基づいて,他者のするふりを推測してしまうことが多かった。 *1.2の研究結果をまとめた論文を発達心理学会に投稿し,現在審査中である。 3.レビュー論文の作成 国内外の研究結果に基づきレビュー論文を書いた。
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