研究実績は以下のふたつに集約することができる。 1 動作法を虫心とした療育援助実践における評価について検討を行った。日常生活上の変化を捉えることの出来る評価表を作成し、実際にそれを用いて訓練効果の測定を行った。ほとんどの参加者にポジティブな成果が得られ、その領域は多岐に及んでいた。また、評価表の妥当性を確認することが出来た。日常生活の評価を指導における見立てに役立てていくことの必要性が示唆された。課題としては、動作をいかに記述し、データ化できるのかについて更なる検討が必要と考えられた。 2 肢体不自由児を対象に、日常生活動作と運動能力、環境因子、個人因子などの項目について大規模調査を行い、相互関連性について多変量的分析から検討した。対象となった肢体不意自由児は、小学1年生から高校3年までの年代である。重回帰分析の結果から、日常生活の自立度を決定する要因を抽出することができた。コミュニケーションにおける表出、移動能力、年齢などが上位項目として挙がってきた。これらの結果からは、日常生活の自立度を複合的な視点から評価することの重要性が示唆される。-さちには自立活動などの指導において、コミュニケーションや移動能力などが重要な支援領域として考慮される必要性を意味していると考えられた。 また継続中の研究としては、個別事例を対象に日常生活動作と運動能力、環境因子、個人因子などの要因について縦断的な調査が続けられ、データが蓄積されてきている。今後、事例的な相互因子の変容過程を求めていく予定である。
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