研究概要 |
平成18年度においては,研究者の研究フィールドであるA病院に通院治療中の維持透析患者72名に対しての肩部痛・血管痛の有無,頻度,現在の治療状況と痛みに伴う情動反応,生活におけるセルフケア能力についてインタビュー調査を行った.調査の結果,痛みを抱える患者は46名であり,そのうち本研究に同意して痛み緩和を希望する患者7名を対象として1ヶ月計6回のリラクセイション技法(臨床動作法)導入を行った.さらに,痔痛を抱えてセルフケア力の低下を示した透析患者数名に対して臨床動作法を適用し,疼痛の緩和ならびに主体的に自らの病気を管理し,からだをケアするセルフケア力の賦活を目指した心理学的介入研究を行った. 痛み緩和の研究にあたっては,医療従事者の協力のもと,文書による患者への十分な説明を行い,文書による同意を得た上で実施した.さらに,透析患者の心理的負担軽減ならびに医療行為中の安全性を考慮した上で,医療従事者に介入技法(ここでは臨床動作法のリラクセイション技法の一部)を指導し,透析治療中に心理学的介入を試みた. 疼痛緩和によるセルフケア力の賦活を目指した研究においては,研究者による説明と患者の同意に基づいて事例研究を実施している. 平成18年度の研究成果については,以下の通り実績報告を行った. 《学会報告》 1)(共同)「維持透析患者の肩部痛・血管痛緩和のためのリラクセイション技法(動作法)導入の試み」透析医療における代替・補完医療研究会,福岡,2006 2)(単独)「The efficient collaboration between clinical psychologists with nurses for throbbing pain care」 26th International Congress of Applied Psychology, July,2006 以上
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