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2008 年度 実績報告書

祭りにおける意識変容と象徴作用に関する分析心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18730443
研究機関大阪府立大学

研究代表者

橋本 朋広  大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (20324733)

キーワード通過儀礼 / 祭り / 象徴作用 / 意識変容 / 分析心理学
研究概要

本研究の目的は, 典型的な通過儀礼の構造(分離-境界-統合)を持ち、劇的な象徴体験によって集団の意識状態を変容させる祭りへの参与観察を行い, その中で直接的に象徴を体験し, その体験を分析心理学の手法によって分析し, 意識変容に及ぼす象徴の作用を解明することである。
近畿二府五県について, 都道府県別に代表的な祭りを広範に取り上げている図書に紹介されている祭りから代表的なシンボルを抽出し, 各季節別に頻繁に使用されるシンボルを明らかにした。それによると、新年には「火」や「松明」、春先には「神輿」、初夏には[馬」や「御田」、夏に「神輿」、盆に「盆踊り」、そして秋に再び「神輿」が、各季節の祭りで使用される代表的なシンボルであるとわかった。
平成20年度前半は, 春の祭りの代表的シンボルである「神輿」の調査として, 「日吉山王祭」への参与観察を行った。また, 初夏の代表的シンボルである「馬」の調査として, 「多度の上げ馬」への参与観察を行った。
平成20年度後半からは, これまでの全調査の整理・分析にとりかかった。まず, 新年の代表的なシンボルであ「火」のイメージを分析し, その結果を第22回箱庭療法学会で発表した。分析によって, 火に向かって自己を投げ捨てる人間のパフォーマンスが主体意識を変容させることが明らかとなった。また, 祭りの調査・分析を通して得た成果を踏まえて, 象徴心理学の構築へ向けて基礎理論の整備を行い, その結果を大阪府立大学大学院人間社会学研究科心理臨床センター紀要に発表した。以上の研究は, 祭りにおいて象徴が自我意識や主体意識を変容させるメカニズムを明らかにする。今後さらに祭りにおける象徴体験と心理療法における象徴体験を比較考察することで, 心理療法における人格変容の特徴が明らかにできると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 象徴心理学のための基礎理論(1)-象徴的現実の構造2008

    • 著者名/発表者名
      橋本朋広
    • 雑誌名

      大阪府立大学大学院人間社会学研究科心理臨床センター紀要 2

      ページ: 9-15

  • [学会発表] 春の火祭に見る火のイメージの心理学的考察2008

    • 著者名/発表者名
      橋本朋広
    • 学会等名
      日本箱庭療法学会第22会大会
    • 発表場所
      愛知教育大学
    • 年月日
      2008-10-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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