研究概要 |
本研究は、心疾患罹患者の精神症状、および認知行動的特徴について、総合的に調査研究し、アウトカムの多面的な評価をもとに、精神・心理面からの支援プログラムのがイドラインおよびマニュアル案を作成すること、さらにその成果をもとに、罹患者支援の具体的な介入に必須なプログラムを開発することを目的としている。過去2年間の本調査により、(1)日本の心疾患患者の精神的健康度およびQOLが同世代の健常者に比ベ、極めて低く、対策が必要であることを日本循環器学会、シンポジウム(長谷川 他、第72回日本循環器学会コメディカルセッション抄録集p.55,2008)で、(2)高齢者のストレス対処方法が若者と異なることをIPA Osaka Silver Congress(International Psychogeriatrics,Vol.19(Suppl),p.269,2007)で、(3)心臓リハビリテーション参加者はストレス対処が悪く、サポートの受容が不得意であることを、日本循環器心身医学会(第64回抄録集,p.55,2007)で報告した。さらに、国内外で報告された心疾患患者の精神症状とその対策に関するエビデンスを整理し、その一部を2007年改訂版心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(班長:野原隆司:日本循環器学会HP)、および関連学会誌(長谷川ら、心臓リハビリテーション13(2),in press)にまとめた。また、新しい循環器領域医療・心理連携分野で、支援システムを構築するためには他職種からの理解、連携が不可欠であり、循環器領域における精神症状と精神面の実際の支援方法について、教育講演(第4回循環器看護学会抄録集、p.38,2008)、基調講演(心臓リハビリテーション指導士・情報交換会,2007.7)および、講義(第5回心臓リハビリテーション・スキルアップセミナー,2007.12)にて提案し、さらに2著書、(濱本ら、「心臓リハビリテーション昨日・今日・明日」2007、および、伊東ら、「心臓リハビリテーション-現場に役立つTips」,in press)にまとめた。
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