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2008 年度 実績報告書

知覚の多様性 : 知覚的体制化をめぐる比較心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18730461
研究機関千葉大学

研究代表者

牛谷 智一  千葉大学, 文学部, 准教授 (20400806)

キーワードオブジェクトベースの注意 / 知覚的体制化 / 知覚の多様性 / ハト / キュウカンチョウ / チンパンジー / オブジェクト内利得 / 注意移動課題
研究概要

動物の知覚がどのような適応を遂げてきたのかを明らかにするためには, その知覚過程に関する同一の課題を複数の種でテストし, 種間の差異や普遍性についての検討が必須である。本研究では, オブジェクトベースの注意に関する注意移動課題を利用し, 知覚様式の多様性を詳細に検討した。
本研究における注意移動課題では, まず2つの長方形が横あるいは縦に並んで出現した。画面中央の円に反応すると, いずれかの長方形の端に手がかりが呈示された。刺激間間隔をはさんで, ターゲットが, 1) 手がかりと同じ位置, 2) 同じ長方形内の別の端(Within条件), 3) もう一方の長方形の同側の端(Between条件)のいずれかの位置に呈示され, 被験体がこのターゲットに反応すれば, 報酬が与えられた。これまでの研究により, 鳥類, 特にハトでは, Between条件よりもWithin条件で反応時間が短くなるということはなく, 画面上のオブジェクトによってその注意が制御されないことを示してきたが, 1)このようなハトの注意機能の性質がヒトやチンパンジーとどのように異なっているか, 2) ハトの視覚的体制化にどのように関わっているか調べた。1) に関しては, 昨年度から引き続きチンパンジーとヒトを被験体(被験者)として注意課題を用いて調べ, 視覚的体制化によって構成された物体に対しても, オブジェクトベースの注意が働くことがわかった。2) に関して, ハトでは, オブジェクトベースの注意が働かないが, これは, 視覚的体制化機能の段階でヒトやチンパンジーと大きく違っているためか検討するため, 代表的な視覚的体制化機能である類同の要因によるゲシュタルトを検討したところ, ヒトと共通するゲシュタルト知覚が示されたことから, ハトでオブジェクトベースの注意が働かなかったのは, 体制化の段階ではなく, 注意の段階での種差であることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 動物心理学における進化論的アプローチは可能か?2008

    • 著者名/発表者名
      牛谷智一・後藤和宏
    • 雑誌名

      動物心理学研究 58(2)

      ページ: 103-109

    • 査読あり
  • [学会発表] 視覚探索におけるプライミング効果-ヒトとハトの比較研究-2008

    • 著者名/発表者名
      関口勝夫,牛谷智一,実森正子
    • 学会等名
      日本基礎心理学会第27回大会
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      2008-12-06
  • [学会発表] 知覚的体制化に基づくオブジェクトベースの注意の検討2008

    • 著者名/発表者名
      牛谷智一,伊村知子,友永雅己
    • 学会等名
      日本心理学会第72回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2008-09-19
  • [学会発表] ハトの視覚的体制化における類同の要因の検討2008

    • 著者名/発表者名
      牛谷智一,実森正子
    • 学会等名
      日本動物心理学会第68回大会
    • 発表場所
      常磐大学
    • 年月日
      2008-09-14
  • [学会発表] オブジェクトベースの注意を利用した視覚的体制化の種間比較研究2008

    • 著者名/発表者名
      牛谷智一
    • 学会等名
      第36回Young Perceptionist Seminar
    • 発表場所
      聖護院御殿荘
    • 年月日
      2008-09-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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