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2007 年度 実績報告書

無関連音が視覚提示の言語課題の遂行に及ぼすクロスモーダルな妨害効果

研究課題

研究課題/領域番号 18730462
研究機関東京大学

研究代表者

田中 章浩  東京大学, 大学院・人文社会研究科, 助教 (80396530)

キーワード実験系心理学 / 無関連音 / 言語 / クロスモーダル
研究概要

仕事や勉強をしているときに、周りで話し声、音楽、騒音などが聞こえると、作業の能率が低下することは、日常的経験からもよく知られている。このように認知課題に対して聴覚刺激が及ぼす妨害効果は「無関連音効果」と呼ばれ、実験室内でも検討されている。本研究の最終的な目標は、従来統一的な説明が不可能であった無関連音効果に対して、統一的な説明を与えることにある。具体的には、なぜある状況では無関連音に含まれる音韻情報が言語課題の遂行に干渉し、別の状況では干渉しないのであろうかという問題の解決を目指す。
19年度は、視覚提示の言語課題と聴覚提示の言語課題が相互に及ぼす影響とその時間特性について検討するために、マガーク効果を用いた実験によって検討を進めた。実験では、視覚、聴覚、視聴覚の3条件で、pa,ta,kaといった無意味な音節をさまざまな時間差をつけて提示した。視覚と聴覚で提示する音節は一致している条件と不一致の条件があった。実験の結果、聴覚提示の音節を無視するように教示してもなお、視覚提示の音節の判断に影響が生じた。また逆に、視覚提示の音節を無視するように教示してもなお、聴覚提示の音節の判断に影響が生じた。また、多少の時間差がある場合でもこれらの効果は生じた。具体的には、「視覚→聴覚」の順序の場合、約400ミリ秒の時間差があっても効果が持続し、「聴覚→視覚」の順序の場合、約200ミリ秒の時間差が許容された。これらの結果は、視覚提示の言語と聴覚提示の言語は音韻処理レベルで相互に干渉することを示唆する結果である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The role of phonological encoding and attentional resource in sentence comprehension after reading silently and orally2008

    • 著者名/発表者名
      Maiko Takahashi & Akihiro Tanaka
    • 雑誌名

      Studies in Language Sciences 7巻(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] McGurk効果を用いた視聴覚統合の時間窓の補正2007

    • 著者名/発表者名
      浅川香・田中章浩・今刊久登
    • 雑誌名

      日本音響学会聴覚研究会資料 37巻8号

      ページ: 39-42

  • [学会発表] Auditory-visual speech perception and intermodal asynchrony2007

    • 著者名/発表者名
      Akihiro Tanaka, Shuichi Sakamo to, Yo-iti Suzuki, Komi Tsumura
    • 学会等名
      19th International Congress on Acoustics
    • 発表場所
      マドリード(スペイン)
    • 年月日
      2007-09-03

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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